【展告】梅田恭子 銅版画集「全12章展」第4回

★終了いたしました
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梅田恭子 銅版画集「ツブノヒトツヒトツ」
全12章展
-第4回- 7章『音』・8章『来』
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_______天音堂ギャラリー5周年記念・通年企画展 [全6回シリーズ]_______

〇2009年7月27日(月)~8月8日(土)
午後2-7時_※休廊=8/5~8/7
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「ツブノヒトツヒトツ」全12章展によせて  -瀧澤直人(教員・新潟県)
-「ヒトツ、ヒトリ」より抜粋-

この世界に対するどうしようもない違和感。自身の内なるものへの不安や怖れ。日常を
生きる上で、見ない振りをしてやり過ごしている感覚。

 梅田恭子の作品を見るとき、そんな感覚をごまかそうとせず、震えながらも毅然と対峙
し立っている、立とうとしているこのひとの姿に、打たれる。撃ち抜かれる。

 いま、此処に、在る、ツブノヒトツヒトツのそのヒトツを見ていると、 無数のインク粒子が
舞い、 掻き傷のように線が刻まれたこの宇宙の中に眼と心が引き込まれ。 離しても。
またしばらくすると。 戻って。 行く。

 そしてふと気がつくのだ。この、いびつで、痛々しくて、そしていとおしいヒトツノツブは、
〈わたし/あなた〉と出逢うべくして産まれてきたのだということに。

 この小さな画面の中に広がる宇宙のどこかに、あなたがいて、わたしがいて、かのひと
がいる。お互いは独りだが、孤独であることにおいて、わたしたちは一人ではない。

 天音堂ギャラリーでそんな出逢いができる人は何と幸せなことだろう。 




◆併設展示: 天音堂コレクション 『線にはじまる』 栃原敏子、フルイミエコ、他

★梅田恭子サイトはコチラからどうぞ

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★画廊スペースの夏休み
2009年8月9日(日)~9月9日(水)

※壁面には所蔵作品をかけておきます。
堂守の在室時には見ていただけます。

《次回展》 梅田恭子のドローイング展(板画)
2009年9月10日(木)~15日(火)




★全文収録「ヒトツ、ヒトリ」

自分を取り巻くマクロの外界を、為すすべも無く茫然と眺めていると、ふいに平衡感覚が失われ、ぐにゃりと視界が崩れるような感じに襲われる。一方、自分自身の内界を覗き込んでいると、そのミクロでありながらどこまでも引き込まれて行く深奥にめまいがする。

そんな剥き出しの感覚のままでは生きづらいので、多くの人はできるだけオブラートにくるみ、見ない振りをし、自らを麻痺させて日々をやり過ごしているのではないか。

梅田恭子の作品を見るとき、そんな感覚をごまかそうとせず、震えながらも毅然と対峙し立っている、立とうとしているこのひとの姿に、打たれる。撃ち抜かれる。この震える母胎を通して、産み出されてきたツブノヒトツヒトツは、一葉一葉がすべて違っていながら、それぞれに梅田恭子のDNAが刻印されている。

いま、此処に、在る、ツブノヒトツヒトツのそのヒトツを見ていると、無数のインク粒子が舞い、掻き傷のように線が刻まれたこの宇宙の中に眼と心が引き込まれる。離してもまたしばらくすると戻って行く。ただ黙って見つめるこの時間。言葉にはならない、かすかな不安、痛み、そして安らぎ。

そしてふと気がつくのだ。この、いびつで、痛々しくて、そしていとおしいヒトツノツブは、〈わたし/あなた〉と出逢うべくして産まれてきたのだということに。

そう感じる〈あなた/わたし〉のためにこそ、確かにこのツブノヒトツは存在している。

産み出すときの陣痛を、〈わたし/あなた〉は知り得ない。それはすぐれて個人的なものであり、誰かのための営為ではない。けれども、ツブノヒトツヒトツのどれかヒトツにでも、感応してしまう〈あなた/わたし〉ひとりひとりは、恐らく見た目は全く違っていても、たましいの奥に通底する何かを共有しているのではないだろうか。
―わたしたちもまた、ツブノヒトツヒトツなのだ。

この小さな画面の中に広がる宇宙のどこかに、あなたがいて、わたしがいて、かのひとがいる。お互いは独りだが、孤独であることにおいて、わたしたちは一人ではない。

天音堂ギャラリーでそんな出逢いができる人は何と幸せなことだろう。 -瀧澤直人(教員・新潟県)
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by amanedo_g | 2009-07-27 00:10 | show 展覧会情報
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