【展告】川﨑美智代展 12/7~13

★開催中★
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川﨑美智代展 「山、水、万(タブローとドローイングによる)」
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〇2009年12月7日(月)~13日(日)
正午~7時__会期中無休

〇作家プロフィール

1962 埼玉県出身
1984 日本大学藝術学部放送学科 卒業
1989 Bゼミスクーリングシステム 選修生履修
1997 第2回アート公募’98ギャラリー企画賞 なるせ美術座賞
現在 大阪府在住

-主な個展-

1994・1995 アートフォーラム谷中(東京・台東区谷中)
1997 藍画廊(東京・中央区京橋)
1998 なるせ村田画廊(東京・町田市)『第2回アート公募’98なるせ美術座賞受賞者展』
2004 ギャラリーブリキ星(東京・杉並区西荻窪)『絵画という惑星の探査』
2005 とこやあおき/深川HO-BOアート 2(東京・江東区 深川江戸資料館通り商店街)『しろたえ』
2006 言水制作室(東京・千代田区神田神保町)『いろ 、いろ なの』
   ギャラリーブリキ星『絵ニテアレ 絵ニテナカレ』
   ギャラリー千空間(東京・渋谷区代々木)『12 (じゅうに)/ dozen』 
2008 ギャラリーブリキ星『遠くも ここも』

他、グループ展多数参加




◆「山、水、万(よろず)」制作雑記----------川﨑美智代

 大阪での生活が三年目に入りました。

引っ越して来た当初は、住む場所や生活環境が変わっても
絵の制作と発表は同じように続けるのだと思っていましたが、
しばらくは絵が描けませんでした。

ドローイングも、以前は自然に引けた線が出て来ません。
絵を描くことが生活の中心だったので、とても戸惑いました。

同時に大阪の生活感覚は、埼玉という東京近郊の都市で過ごしてきた私には
大変なストレスでした。

地理がわかりづらく、駅前の目立つ場所に墓地があり、
車は赤信号なのに交差点に入って来る、自転車も乱暴、身近に心通じる友人もなく、
家族以外に話をすることもなく、何事にも過敏に反応して疲れていました。

 しかし大阪での生活は続くので、差し当たり好ましいことがあまりなくても、
周りを描くことで少しづつ理解できるようになるのではと思い、
見たものを描いてみることにしました。

 通常の作品は抽象画なので、具体的な対象を描くことや、
一見して画面のモチーフがわかることに強い抵抗感はありましたが、
絵が描けなくてはここに戻るほかありません。

いやいやながらも目に見えたものを描いていくに連れ、
案外気持ちが入るものと、全く描けないことがあるのに気づきました。

また、自分の眼が実は対象の表面を撫でていただけで深みがなかったり、
存外に視野が狭いということもよくわかってきました。

二十世紀に生まれた抽象絵画の成立の経緯、役割、
美術、絵画の特性と必要な要素についても、
改めて考え直すようになりました。

素材や方法にも、自分らしさが定着してきました。
自然光での制作は以前からですが、ドローイングは薄手の和紙に。
これまでは使えなかった透明水彩にも、自然に手が出るようになりました。

タブローは麻生地に膠引き、
その上にシルバーホワイトか炭酸カルシウムを斑にスキージーして、
半分は下地、半分は描写。
そこに木炭や鉛筆、パステル、オイルバーなどを擦り込みながら、
訪れたところや経験したことなどを描いていくようにしました。

素描と仕上げの順序が逆転することもしばしばです。
きちんと作り上げた下地にかっちりと描いていくのではなく、
観たもの、感じたことを、ゆっくりと柔らかい画面に降ろしていくという感じ。

現実があり、そこに触れ、自分の中で響いたことを、
当初の印象の瑞々しさを失わないように、絵の表面という現実に戻していく。
簡単にはいきませんが、手が利かないだけに神経質に過ぎず、楽観的にもなれました。

 和紙や麻生地という単なる下地の素材が親しみを増した空間となり、
画面の全体の空気も少し変わってきたように思います。

 こうしていくうちに、大阪に馴染むという感覚も出てきましたし、
東京との違いも地勢や町の成り立ち自体が全く異なることからなのだと
理解出来るようになりました。

 中でも大きな違いと感じられるのは、関西独特の土着性、
ゆえに時間の深さと長さを感じられる空間がまだまだ多いことだと思います。
そこには昔の生活の道具や古い美術へ繋がる道筋があります。

東京でもそういう場所や機会はありますが、色濃く感じられるのは江戸辺りで、
ごく普通の生活では、現在の政治経済の流れに気持ちが絡めとられて
心の余裕を持つことが難しく、足元が覚束ないと感じることが多くがありました。
しかし都市ならではの多様性と自由度は大きく、
さまざまな生活のかたちもあるのですが。

 大阪での生活が、今の時間を生きつつも、古い時間にゆっくりつながっていく。
もともとこの地から生まれた時間の中にある、
深く豊かな精神世界をじっくり吸収したい。

手で認識するという絵画の基本行為を通じて、
変わりゆく現実を身体に受容してゆけるよう、
そしてそこから絵によって伝え得ることを、自分なりに示してゆきたいと思います。
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by amanedo_g | 2009-12-06 23:45 | show 展覧会情報
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