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山口ヒロミ「りぼんクラブ」2004

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山口ヒロミ「りぼんクラブ」2004、銅版画、エッチング・アクアチント、ed.20、198×295ミリ(額407×520ミリ)、30000円(シート25000円)。
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=====開催中=====
【山口ヒロミ銅版画展】~生誕26年に~
6/1~6/30、水と木は定休
※予約制(6月のみ)…天音堂ギャラリー06-6543-0135




◆平明の堂守日記◆2007・6・4

天音堂ギャラリーのオウナー(妻君)であり銅版画家でもある山口ヒロミに
今年9月のパリ個展について、どんな経緯で実現したのかを書いてもらった。
以下にその文章を掲載する。近日中、メールマガジンにものせる予定。

==========
【天音をつれてパリへ・・・・・・・・・・山口ヒロミ】

パリで展覧会を開くと聞いた人はみんな、驚きの表情をうかべ、
世界へはばたくんやねと言う。パリは世界の入り口なんやと思い
つつ、私は、現実との違和感をどう説明したものか、ほとんど笑う
だけにしている。

 さてどんな成り行きで、パリなんて遠い所へ天音を連れて行こう
としているのかというと、きっかけは、2005年12月、平明とふた
りで出かけたパリ貧乏旅行。

パリへ行くのならこの画廊へ寄ってみたら、と友人が教えてくれ
たのがベルビルのギャラリー「L’Association pour l’Estampe
et l’Art Populaire」だった。

 『地球の歩き方』をたよりにたずねてみると、画廊のオーナーが
フランス語と英語と片言の日本語で親切に迎えてくれた。オーナ
ー夫妻はアーティストで、25年以上パリで暮らしているが妻クリ
スティンは英国人、夫ラウルはメキシコ人。

 ベルビルはパリの北東20区にあって移民の町として知られてい
る。かのエディット・ピアフが生まれ、貧しい暮しの中で幼いとき
から路上で歌っていたことで有名な場所、と『地球の歩き方』にの
っている。

シャンゼリーゼやセーヌ河岸のパリらしい風景とは違って、ここに
はどこかうらぶれた、殺風景な雰囲気が漂っている。しかし、18
世紀(?)のままの石作りの建物が曲がりくねった細い路地に隙間
なくつらなっていて、それはまさに下町のパリ、私はすごく居心地
がよかった。

 このあたりはいろいろなアーティストの工房が点在していて、
いわゆるSOHOのような雰囲気もある。ギャラリー「L’Associ
ation~」は その路地の一角にあって、オーナーの銅版画工房
と隣り合っている。地域の人たちにいい絵を安く提供したいとい
う考えで、作品が売れてもマージンを取らない、だから画家は
その分絵の値段を安くつけることになる。NPO式の経営とかで、
私は安いギャラリー使用料を払うだけ。

 お金があればだれでもパリで展覧会は開けるわよって、言った人
がいたけれど、お金にとらわれないパリのギャラリーがあることを
知って欲しいと思う。オーナーにはもちろん私の絵を見てもらって
開催が決まった。

 9月14日(金)から23日(日)までの10日間の開催に向けて、ゆっ
くり準備が始まった。展覧会のタイトルは「Fusigi no Amane」に
したいと メールで伝えたら、「It's nice」と返事が来て、天音を連
れて行くギャラリーにふさわしいと嬉しくなった。
さて、旅費の算段をしなければ。
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▲ベルビルの街路、パリ20区にて0512撮影。モンマルトルのようにここも丘の町である。
by amanedo_g | 2007-06-04 20:33 | Hiromi Yamaguchi
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