【8月5・6・7日】広島行き

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★過去の日記★2005/08/05 (金) ヒロシマも還暦
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

明日から二日間、例年のごとく広島へ参ります。

日記の更新(新しい記述)はおそらくできません。

戦後六〇年、広島はヒロシマとして還暦を迎えます。

平明Gもいつまでやってこれるやら。

公園のあのモニュメントは、
わたくしにとって父のための共同墓、
あるいは祈念の碑(いしぶみ)として存しています。

山口勝清、一九〇五年に生れ、一九四五年、爆殺さる。

念願の香月泰男の回顧展も見てきます。

○香月泰男展(ひろしま美術館サイト
「平和への祈り~その生涯とシベリア・シリーズ」)
http://www.hiroshima-museum.jp/special_top

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★過去の日記★2005/08/06 (土) 香月泰男展、ひろしま美術館
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■2005/08/06 (土) 例年のごとくヒロシマへ

◆【八月六日・その一】

朝七時新大阪発「のぞみ」、広島着八時二〇分、
ちょうど記念式典が行われている最中だな。
広島駅前から広島電鉄の市街電車(ヒロデン)で原爆ドーム前へ。
市内一五〇円。

大きな石を人力で運んでいる
ストーンウォークの一行がいる。昨夜、自宅のテレビ
(ニュース23)で見た米人女性が、立ったまま
テレビのインタビュウを受けている。
怪我をしたという右足は、ギプスと包帯で覆われていた。

○ストーンウォーク・ジャパン2005
http://homepage2.nifty.com/tomokonet/stonewalk/
○ストーンウォーク・ヒロシマ(ブログ)
http://blog.goo.ne.jp/tomokonet1012/

平和公園内にある供養塔の裏の扉前でお参り、合掌、
線香の煙がたちのぼる。
ここには特定できない遺骨が、
土饅頭の下の部屋に安置されている。
無縁無名の骨である。

戦後四十年にここへ来はじめた。かつてこの場所を
教えてくれたムツエに直電、
あの場所で待ち合わせることにする。

あの場所へ強い陽差しのなか、よろよろと向う。
そこは本川のほとり、厚生年金会館の裏手。
ここに「原爆犠牲新聞労働者《不戦の碑》」があり、
午前十時から碑前祭がある。参列、黙祷、献花。

中國新聞労働組合の皆さん、
毎年お招きありがとうございます、感謝多謝。

近くの【バッケンモーツアルト】でモーニングをとる。
○バッケンモーツアルト
http://www.b-mozart.co.jp/

平和公園の中を南から北へぬけて、
紙屋町そごうデパートの北のほうにある【ひろしま美術館】へ。

【ひろしま美術館】、
「香月泰男展 平和への祈り~その生涯とシベリア・シリーズ~」、
ひろしま美術館は地元銀行を母体とする財団法人が運営している。
~8月21日まで。千円。

香月泰男(1911~1974)のことを知ったのは、
内村剛介の著作に使用された装幀画によってであった。
たしか今から三十年ほど前のことになろうか。

内村剛介のその本は、たしか三省堂新書だった
と記憶している。そのあとも内村の著書の
表紙絵に使われていた。探せば自宅内のどこかに
残してあるはず。内村の著作はほとんどまとめて
古本屋に売り渡したけれど。

詩人・石原吉郎、評論家・内村剛介、
作家・長谷川四郎、画家・香月泰男らは
シベリア抑留者である。

なかでも内村は抑留期間が十年以上にも及んだが、
ソ連もなくなった現在では、抑留といっても
なんのことやら分からない人のほうが多いかもしれぬ。

絵そのものは、フォルム画廊で見たように憶えている。
これらの印象も強かったのだが、やはり文学との近接
という観点から香月泰男を好きになったのだった。

戦争への国家からの有無をいわさない召集、
敗戦国の捕虜として抑留されて、
存在の限界まで追いつめられながら、
生還したのち死ぬまでずっと
「わたしの戦争」を描きつづけたことは稀有のことである。

抑留前の「海拉爾」、ハイラルと読む。
あまりに単純な構成、色彩は黄土色と黒、
ハイラルの町が遠く下方に見え、
何本もの煙がゆらゆらと立ちのぼっている。たったそれだけだ。

この作品への画家のコメント。

《氷の塊りのようになった
真冬の海拉爾の街の底からのぼる煙に、
人間家族の温もりを感じた。
私はほかには何もいらぬ。
絵が描けて家族とともにいられるのならば。
その煙がうらめしかった。》

香月自身の言葉、この最後の部分、
「絵が描けて家族といられるのなら、なんにもいらない」、
これはもう文学に通じる表現への本能とでも呼ぶべきものだ。

○五月書房サイト内の内村剛介略歴
http://www.gogatsu-shobo.jp/isbn/4772703195/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★過去の日記★2005/08/07 (日) シリン・ネシャット展、広島市現代美術館
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

昨晩は平和公園内であったコンサートを聴いた。
といっても眠っていたらしい。そやろなあ。

雨がぱらぱらと降り出したので、早めにホテルへ向う。
灯籠流しも酔っぱらっていたせいか、
見なかったように思うぜよ。

すっきり睡眠の足りた状態とはいかず炎天下、
ヒロデンに乗って比治山の【広島市現代美術館】へ。

★「シリン・ネシャット展」、
第6回ヒロシマ賞受賞記念の展覧会である。
これについては、人妻ユミに報告を書いてもらう予定。
~10月16日まで。1140円。

○シリン・ネシャット展(1957生れ)
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/exh/special/h17sp5/h17sp5.htm

わたくしにとっては、映像インスタレーションの展示は
こういうものなのかと分からせてくれた。
Gにとって、暗闇のなかで座って観覧できるのは助かる。
寝るなよ。へ~い。

作家はイランの女性だ。イスラームの女性、
しかもアメリカに渡って活動している。
これはかなり危うい位置にいる。白人女性たちの
女性差別反対運動の影響をうけざるをえない。

出自の地。荒野。砂漠。暑熱。
白人たちの「民主国家」の政治思想はここでは通用しない。

イスラームは宗教というよりも、
中国における道教に近いのではないか。
厳しい環境で生きのびるための習慣、知恵
とでもいえるようなものとしてである。

イスラームとは、豊かさの分配ではなく、
アラーのもとでの貧しさの分担と考えられないか。
習俗としての掟と仕来りとでもいえるようなもの。
これは、覇権を競うものらには、恐怖を感じると思う。
[PR]
by amanedo_g | 2005-08-05 23:45 | haymay 山口平明
<< 最寄り駅から道案内[テキスト] 【8月6日】広島行き >>