【3日】夏休みです~8/10

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工房よりも居間のほうが涼しいからと食卓でせっせと作業にいそしむ山口ヒロミ(オウナー)






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■【そぞろ通信】第4号===============================2002-1-16
       □「あまね通信」改題通巻89号□創刊2001年10月16日
        □発行/直接配信<BCC>□編著者/山口平明
         [1行32字で改行-等幅]著作権に留意ください
○目次○
(1)天音亡きあとの二人-------------山口平明
(2)PCお疲れ随想-----------------Yamaguchi Heimei
(3)編輯後記-----------------------あま父


******
●1● 天音亡きあとの二人・・・・・・・・・・・山口平明
******                (四百字詰換算で八枚)


 二〇〇〇年十月十六白、月曜日だった。私ども夫婦のひとりっ子であ
る天音が亡くなって、もうはや一年が過ぎてしまった。
 感情や気持はとどまることなく、瞬時に変化してしまう。口走る言葉
は空中に消えゆく。だが、文章は残る。そのときその瞬間の気持を表現
していても、こんなことを思っていたのかと、あとで自分が驚いてしま
う。(この文章を執筆したのは二〇〇一年十一月二十日)
     *
 十月十八日お別れの会(お葬式)をすませてから年末までなにをして
いたのだろう。この私は妻君の本造りにつきあって慌ただしくしていた
はず。満中陰にあたる日に親しい人たちと食事をともにしたように憶え
ている。そのあと年内はできあがった本をお世話になった皆さんへ送る
作業に追われたのだった。
 天音の死後、機会をえてなんどか夫婦で京都に出かけた。天音がいな
いから、二人でさっと家を空けられる。そんなことが新奇な経験であっ
た。
 二〇〇一年一月、奈良・若草山の山焼きにも、お昼をすませてひょい
と連れだって出かけた。凍えるように寒くて寒くて、点火のまえに行わ
れた花火を足踏みしながら見上げた。
 二人で遠出したほかはただぼんやりと日々を過ごしてきた。いやいや
それは私だけのことで、妻君は気持をきりかえ、しゃきっとして元気に
暮らしてきたように見える。
 ヒロミさんには、やるべきこととやれることをすべてし尽くしたとい
う晴れ晴れしささえ感ぜられる。
 肉親とはよくいったものだ。肉のつながりを十九年四か月。母親ヒロ
ミと子天音は、比喩ではなく片時も離れずに生き暮らしてきた 妻君は
、ヒロミ母は、なにも思い残すことはないという。そしてまだ少し元気
があるうちに、やりたいことをして、行きたいところへ出かけたら、と
天音がはからってくれたように思えるらしい。
 そうなら天音さんという存在は、なんという人なのかと思う。四週間
の終末期を過ごした病院では、浮腫で痛かったせいもあるだろうが、抱
っこをせがまず、しずかにしずかに私たちを見守ってくれていたのだ。
 あんなにしがみついていたヒロミ母からも離れ「自立」して、私たち
をやさしく穏やかな眼差しでじっと見つめてくれた。
 感謝いがいになにがあろうか。私は家のなかで「天音、だぁい好きぃ
」と叫びつづけている。あの子とはこの世にはありえないような、まさ
に在り難い出逢いを与えられた。
 いま、私は脱け殻である。魂がぬけてしまった。幸せの絶頂感がある
としたらこういうのをさすのかもしれないと感じる。
 なのにこの身はまだまだ生きなくてはならない。だからぼんやりとし
てしまう。凡愚の手にあまる。
 大いなるものの存在を感じたのだから、信仰の世界にはいっていけば
「ぼんやり」は消えるか。
 ヒロミさんのようにしゃきっとして生きられるのは、あの毎日毎夜の
抱っこと介護への捨身をしつくしたればこそだ。父親の私には拮抗する
ものがわずかにしかない。
     *
 ヒロミさんが「母の友」に連載したエッセイと銅版画をまとめた本『
天amane音』(自然食通信社刊・一六八〇円)の原画展を何度か開
いてもらった。二月は大阪・梅田、六月は東京・三鷹、八月は北海道・
旭川、九月は東京・一ツ橋。
 まずヒロミは銅版画を額装し、画廊に送り、開催前にのりこんで展示
飾りつけを行い、会期中は会場につめて見にこられる方々と交流し、終
われば搬出して絵を自宅に送り返し、なおかつ売れた絵は送らねばなら
ない。
 絵描きといえど、なかなか激しい肉体仕事が多い。怯まず臆さず前へ
前へと進みつづけなくてはならない。彼女は「天音のことをしているの
だから苦にならないわ」という。
 展示される各地へどんどんと出かけて行く妻君を「ええぞ、ええぞ、
行けえ、行けえ」とあおってばかりいた私だった。貧乏は極まっておる
から、おのが臍繰りを使ってもらういがいにない。すまんのう。
 私はというと、図書館で「死」についての、とりわけ「子との死別」
について書かれたものを借りだしては読みついでいた。こういう本は、
図書館の分類では哲学にならんでいる。
 しかし天音とそっくりの子どもがいるわけないのだし、どの事例もど
のお話もしっくりこない。あたりまえなのだが、あの子の特異性は、い
まや私の誇りでもあるのだから、既刊本には慰めるものはない。
 でも弱い私は、すがるような思いで死別の本を読みつづけた。逆縁の
本にわずかの救いを見つけようとした。だが、それはなかった。無理だ
った。
 どんな本よりも、天音の写真を見ながら「天音え、大好きだよう」と
声を出しているほうが慰められた。ひとり問答もさんざんやった。これ
は本当に心が休まる。
 名前というやつは、どんな名文よりもすぐれて魂を慰めるものである
。親しい者にしか判らない愛称などは、それをささやくだけでどんなに
幸せな心地にしてくれることか。
     *
 天音が十五歳のころ、季刊「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」
に、夫婦のかけあいエッセイを連載。天音が亡くなったときに連載を終
了させ、同じ出版社から全二十回分をまとめて今年十月、『イノチの天
音/響きあう家族のとき』(ジャパンマシニスト刊・一八九〇円)とい
う本にしてもらった。
 例によってヒロミの銅版画を十五点(表紙や口絵はカラー)も収載し
、読んでもいいし眺めても楽しめる仕立てになっている。
 おまけに出版社が作家・山田太一さんに推薦を頼んでくれた。帯に記
されたその文章「『イノチの天音』によせて」を、ここに掲げておく。

 《神話を読んだような――などというと、平明さんは「気色が悪い」
というでしょう。
 でも、お二人が日常の言葉で気取りなく事実を語ろうとしても、天音
さんの重さが本に深さを刻んでしまうのだと思う。
 ヒロミさんが、天音さんを描き続けたのも、なにか大いなるものの意
志を感じてしまいます。
 なにより天音さんは、ヒロミさんの絵の中で生きています。
 若くして亡くなった人のことは、生き残った人が、あの手この手で憶
えていてあげなくては――。
 天音さんの無言、大きな瞳、少女の香り、短い生涯が語るものを聞こ
うとしなくては――と、シンとした気持になっています。(山田太一)


 この本の原画展が十月、東京・池袋で開かれ、十月二十七日には私た
ち夫婦が語るお話し会もあって二人で出かけたりもした。
 私たちのミニコミ「あまね通信」は去年七月の八五号をもって最終号
として廃刊にすることとした。そんなお知らせを一周忌にさいして、読
者に送った。去年中か今年には最終号を出そうと思い、そうも書いたけ
れど、とうとうその気力はわかなかった。やはりあの気力の源泉は、天
音と暮らしておったからである。
 私は脳梗塞で倒れ手術をして四年がたった。かなり元気にはなってき
た。そこで春からパソコンに取り組み、ぼけ頭で勉強につとめている。
 ホームページなんかは難しいので、文字/テキストのみのメールマガ
ジン「そぞろ通信」(月刊が目標)を十月に創刊した。
 ヒロミは銅版画に専念してもらうこととし、私だけで電子ミニコミを
やっていくつもりだ。興味ある方は下記のアドレスにメールくだされば
、メルマガ「そぞろ通信」を送ります。<大分県中津市の松下竜一氏発
行「草の根通信」2001年12月号に掲載の文章を転載>
★山○平明編集発行「そぞろ通信」

   
******
●2● PCお疲れ随想・・・・・・・・・・Yamaguchi Heimei
****** dejitaruboyaki

 メルマガを作るのに文章入力のテキストエディタとして、秀丸という
ソフトが役立つと聞き、早速ダウンロードしてインストール。試して気
に入ったら代金を払う式のソフトである。
 いろいろヘルプに書いてあるので設定を試してから文章記述に取りか
かったものの、不具合ばかりが起きる。ヘルプを印刷してそれを見なが
らやればいいのだろうが、だいいちプリンターがない。herehore
 使い勝手をよくする各種の設定にとりくんだ結果、原稿を書く気力を
無くしそうになり、このソフト導入は中止。頭痛発症。
 しかもこれまでに作成したファイルに、この秀丸が取り付いてくるや
らかぶってくるやら。厄介なり秀丸hi・de・ma・ru。
 またもや秀丸のヘルプを読み、アンインストールに初挑戦。《ほんと
に実行していいですか》と念を押してくる秀丸に「阿多望でえ、初めて
だと思ってなめんなよ」とモニター画面に当方の弱気を覚られないよう
に虚勢をはりながら実行の合言葉「はい」をクリックする。「おう」と
答えたいのにそんな威勢のよい答えは用意されてない。あくまで秀丸の
ペースだ。
 やっと使い慣れてきたメモ帳から書きやすい「環境」にしようと浮気
したのが間違い。いまこれメモ帳で書いてます。駱駝あ。でも秀丸につ
いてた字数と行数のガイドは便利だったね。また、文字化けを防ぐとい
われる配信システムの「白やぎさん」をダウンロードしてみたが、これ
もよう分からんので導入中止。眼精疲労発症。
 自分の頭の悪さとボケ具合を確かめられただけじゃった。kusun2

 メールマガジンの意味は、小泉内閣のメルマガでよく知られている。
と思っていたのだが、インターネットのWebサイトとかホームページ
/HPと混同されているようだ。また掲示板やメーリングリストともよ
く勘違いされる。メールマガジンでもテキストだけじゃなく、記述言語
/HTMLで発行するのもあるのでHPと区別がつきにくい。
 メールソフト(ぼくはoutlook express)を使わずに
Web上でメールをやりとりする場合は、メールマガジンはWeb上の
ものともいえないこともない。アアややこしい。このへんの小生の理解
はあやしいけれども。
 とにかく読者がみんなメールソフトを使用しているものとして言うの
だが、電子メールを接続してダウンロードしたら切断/オフラインにし
ますよね。それからゆっくり時間を気にせず読んでくださるものと思っ
ていた。ところがメールマガジンは、紙の手紙や本をじっくり読むよう
な調子にはいかん。おっと自分自身にしてからがそうだ。
 電話料金は切ってるのだから安心のはず、接続料も同じ。なのにこの
焦る感じ、早くしなくちゃ感は何なのだ。もしかして電気代が気になっ
てなんてことはないしねえ。ウーンよく判らん。
 メールマガジンを読む時間をちゃんとつくり、読書するつもりで画面
に向かうほかに妙案は自分の体験からもなさそうだ。HPの場合、「お
気に入り/ブックマーク」に入れてあっても更新や定期的なチェックは
厄介なもんである。そこへいくとメールマガジンは、ほっておいても配
信されるのだから読むのは楽なはずなんだけどねえ。
 結局、愚生の文章が読みたい感を抱かせるかどうかの問題かもね。と
んだやぶ蛇ですわい。当節、頼みの相棒からも見放されてるしのう。せ
いぜい奮励努力をばせにゃならんかと思うとります。
 たとえメルマガが自己満足のメディアにすぎなくても、独自の表現を
発信して自分の読者を探していきたい。田中宇のメルマガは読者数が十
九万部という、ウイルスメールも三千通だって。同氏の情報掌握力とそ
のすばやい発信が、読者に期待感を持たせるのだろう。


******
●3●編輯後記konkaiha wanmansyoude sunmasen
******

 ご心配をかけておりました【ギックリ腰】は、おかげで年初には楽に
なりました。検索エンジンでギックリ腰関係を見つけ読んだ結果、安静
が一番の療法。十日ほどすると、随分楽になりました。いまもずっとカ
イロを腰に貼っています。冬でよかった。
  
 創刊から三か月たちました。この間、【返信のなかったアドレスへの
配信を今回4号(1月号)にて停止】します。
 先ごろ、村上龍「編集長」がウリのメルマガ「JMM」を初めて読ん
だ。十万部発行のうち、独自配信分が六割を超えている。有名作家とは
いえ大したものだ。しかしこれはもうミニコミではない。小生のほうは
電子ミニコミと謳うように、配信システムにも頼まず直接独自配信で、
せいぜい【二百アドレスを上限】にしている。もらったお便りにはでき
るだけ返事を出すつもり。手紙文芸に期待している次第。

 【自己満足文芸メルマガ】が発行主旨。二百までまだまだお席に余裕
あります。停止になったアドレスもメールをくだされば再配信します。
「届いた/開封した/見た/眺めた/読んだ」一言でも一行でもメール
でお返事ください。平明クンに元気が出ます。むろん受信拒否の方も遠
慮なく言ってください。

 購読料は無料です。山口天音の両親の消息をお知らせするメディアで
もあります。よかったら私たちの書いた【天音本を購入】していただけ
ると助かります。m(_ _)m

       amane §^○^§ 読んでくれてありがとう!
 
 ◆文芸メルマガ「そぞろ通信」第4号(通巻89号)ここまで◆
================================
★連絡先→


*kokokaraPR  「天音本」の【サイン本】をご希望の方、乳幼児や
お年寄りなどをみていて本屋さんに行けない方、多忙でなかなか書店に
行けない方などは私まで申し込んでください。代金は、お送りする本に
同封の郵便振替でお願いします。一冊160~210円の送料が必要で
す。また、お友だちや離れているご家族へ、あなたに代わって贈り物と
して私たちからお送りいたします。あなたには美麗のAMANE絵葉書
をさしあげます。贈り先の住所と名前と書名を振替用紙の通信欄に書い
て、本の代金を次の口座【アマネタント】に先にご入金ください。
<<<<<★郵便振替番号00980-2-87322 アマネタント>>>>>

 天音本/あまね曼荼羅(ワールド)の書誌と購読順を以下に説明して
おきます。ここのみ1行28字で改行、等幅フォントです。本のご注文は
FAXか「そぞろ通信」専用Eメール(↓)でどうぞ。
   ★


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★その一 山口平明著
『娘天音 妻ヒロミ-重い障害をもつこどもと父の在り方-』
ジャパンマシニスト刊・1997年11月・税とも一六八〇円
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 天音誕生から小学校入学までの父の記録。月刊ミニコミ「草
の根通信」に「星降る夜の雨の音」の題で連載、同誌発行人・
松下竜一さんの序文収載。《死にたくないのに死にかけた僕、
死にたがるけど立ち直りも早い妻・ヒロミ、仮死状態から「叫
び」の人としてこの世に生還してきた娘・天音、かくのごとき
トリオでどのように十数年もイノチを保ち生きのびてきたか、
まさにサスペンスドラマなのよ》と、あとがきに。表紙と中扉
の銅版画はヒロミ作。

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★その二 山口ヒロミ著(絵も)
『寝たきり少女の喘鳴koe が聞こえる』
自然食通信社刊・1995年6月・二三一〇円
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 超重度の障害児・天音の強靭な生への意思に鍛えられ導かれ
て、「今日一日」を生ききる楽天性を取り戻した妻は夫ととも
に、個人誌「あまね通信」を創刊。社会にむかって開かれた窓
から〈われらがイノチの営み〉を伝える翼となった通信は、娘
・母・父とで縄なう共棲の歳月を乗せ、《天音の身代わりのよ
うな》一冊になった。「あまね通信」創刊号から60号までのヒ
ロミの文章を収め、表紙のパステル画と本文カットも著者自身
のもの。

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★その三 山口平明著/山口ヒロミ画
『不思議の天音-イノチの際でともに棲まう私たちの日々-』
ジャパンマシニスト刊・2000年6月・一六八〇円
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 大阪はあのアメリカ村から徒歩5分のビルの谷間に生きた少
女、山口天音。はたして、何を喜び何を苦しんでいるのか、彼
女に関わる人々、医療関係者、そして、両親にも判らない。平
明氏言うところの「なぞなぞ少女」。そんな天音さんのイノチ
を支える父・平明氏が脳梗塞で倒れる! 一家の大ピンチから
はじまる『娘天音 妻ヒロミ』につづく第二弾。これも「草の
根通信」誌に連載。ヒロミの銅版画も必見。

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★その四 山口ヒロミ画文集
『天amane音』
自然食通信社刊・2001年1月・一六八〇円 
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 《ありのままでなんて美しい》 生きるすべてを奪われなが
らも、内側から溢れ出すいのちの輝きに魅せられ、母が描きは
じめた娘の姿態。月刊誌「母の友」に、《天の音、甘やかに》
という題で一九九九年四月から一年間連載されたカラー銅版画
とエッセーを中心に、月刊誌「大阪人」連載のエッセーに書き
下ろしを加え、天音さん亡きあと緊急出版。「天音に出逢った
人は、偲び草としてぜひお手許においてください」と著者。

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★その五 山口ヒロミ/文と銅版画&山口平明/文
『イノチの天音-響きあう家族のとき-』
ジャパンマシニスト・2001年10月刊・一八九〇円
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 作家・山田太一さんは、読後の思いをこう書いてくれた。
 《若くして亡くなった人のことは、生き残った人が、あの手
この手で憶えていてあげなくては――。天音さんの無言、大き
な瞳、少女の香り、短い生涯が語るものを聞こうとしなくては
――と、シンとした気持になっています。》
 こどものからだ・こころ・いのちを考える健康BOOK「ち
いさい・おおきい・よわい・つよい」誌に天音の最晩年ともな
った五年間の連載を、一周忌にあわせて出版した。カラー表紙
絵と口絵、そして本文十枚のどの銅版画も、天音ちゃんをめぐ
る絵本のよう。「ち・お」読者には愛蔵してほしい。


■PRもここで終わりです。お疲れさまでした。(^○^)/~
[PR]
by amanedo_g | 2008-08-03 23:45 | haymay 山口平明
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