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骨壺 9月30日

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【天音の骨壺】
今日も天音堂へ片付けに行ったけれど、激しい雨で気持ちが削がれてしまった。
ぼんやり窓に打ち付ける雨粒を眺めていたら、
天音の葬式の日も雨だったなあと、12年前の葬式のことが思い出された。
東京から駆けつけてくれた親しい友人も、今はもう亡くなってしまったことなど。
葬儀屋のおじさんが、お嬢さんの涙雨ですなあ、と決め台詞を言って、
葬式の最中なのに、私や親しい友人は思わず笑ってしまったことなど、
次から次と思い出された。

先日会った親しい友人と、葬式の日の話はもう何度も話しているのに、
また、同じ話になって大笑いをしたのだったけれど。
彼女は、葬儀の世話係をしてくれていて、葬儀屋のおじさんと打ち合わせのとき、
なるべくこじんまりとした葬式にとおっしゃってますが、とおじさん。
あら、あなたは亡くなった娘さんのご両親をご存じないの、と友人。
おふたりは有名な作家さんと絵描きさんですよ、新聞にもお嬢さんの亡くなった記事が出てるじゃないですか、たくさん弔問の人が来られますよ、友人はほらを吹いたらしい。
それから、おじさんの対応が急に変化して、話し言葉も丁寧になった。
私たちは、そのことを後で知ったんだけど。
彼女の遊び心で、泣きながら笑ったことがなつかしい。

天音堂から自宅へ移動させるために、机に置いた天音の骨壺が、こちらを向いて笑っていた。
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by amanedo_g | 2012-09-30 19:15 | diary ヒロミ日記

Dragの店  9月29日

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【女装する人のための店】
近くのスーパーへ買い物に行くたびに、この店の前を通る。
思わず足を止めるほど、素敵なコスチュームをつけたマネキンが並んでいる。
聞けば、女装(Drag)趣味の男性のための、衣装や小物を売っていて、
そんな趣味の人たちには有名らしい。
若ければ、ちょっと購入して着てみたいと思うような衣装だ。
最近は、ときどき若い女の子が入って行くのを見ることがある。
いつか入店して見学させて欲しいと思いながら、まだ果たせずにいるんだけど。
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【色の組み合わせが面白い】
昨日、テレビで草間弥生の世界的な活躍のドキュメントを見たが、
ここの衣装も負けないぐらい、ショッキングで魅力的。
こんなことを書けば、芸術がわかってないと思われるかもしれないけれど、
草間の衣装の1点をここに飾っても、全然違和感がないなあと、
前を通りながら思ったのだった。
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by amanedo_g | 2012-09-29 21:18 | diary ヒロミ日記

グラッパ  9月28日

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【イタリアのグラッパ】
あのお酒を飲もう、と平明がグラッパの封を切った。
6月、パリのお土産として買って、そのまま食卓の端に置いていたグラッパだ。
実は、このグラッパはパリで買ったものではなくて、帰国後大阪のデパートで買ったのだ。
というのも、パリでは、作品の荷物が届かなくて、
自分では、それほど緊張していたとは感じてなかったけれど、
きっと、相当にこたえていたんだろう、平明へのお土産を買い忘れていたのだ。
デパートの酒売り場で、なにを購入しようかと迷って、
ふっと目にしたグラッパ、これだと思った。

グラッパには、楽しい思い出がある。
2008年12月、平明とツアーでイタリア旅行へ行った。
フィレンツェの夜、散歩に出て、おいしいお酒がないかと酒屋に寄ったら、
店の中にお酒のいい香りが立ちこめていた。
並んだ酒ビンを熱心に選んでいる平明を見て、飲むかい、
赤ら顔の店主が言って、カウンターから酒ビンを出し、小さなグラスについでくれた。
老けたマルチェロ・マストロヤンニのような店主は、それまでひとりで、チビチビやっていたらしく、どうだ、美味しいだろうと嬉しそうな満面の笑み。
それがグラッパだった。
相当にそれは美味しかったらしく、平明はすぐグラッパを購入。
日本に帰ってからも、グラッパは平明の大好きなお酒になった。

お土産なんてよかったのに、と平明は言ったけれど、
こんなに美味しそうに飲むのだったら、やっぱり購入してよかったと思った。
ほんのり暗いフィレンツェの石畳が続く横町の、あの酒屋で、
今でもマルテェロ・マストロヤンニは盗み酒に顔を染めているだろうか。
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by amanedo_g | 2012-09-28 21:08 | diary ヒロミ日記

1996年の私 9月27日

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【1996年1月号】
今日も天音堂へ後片付けに行った。
大きなテーブルやマップケースが無くなったので、後は本の片付けだ。
本や雑誌の整理をしていると、必ず、その中の1册につかまってしまう。
案の定、今日は月刊「少年育成」が放せなくなった。
1996年発行のそれには、私が原稿を書いている。
私の著書、「寝たきり少女の喘鳴(こえ)が聞こえる」が出版された翌年だ。
多分、この本の宣伝という意味もあって、原稿を書かせてもらったんだろう。
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【タイトルがいいわ】
タイトルはその時の編集者が付けてくれたと思うけれど、ぐっときた。
天音と暮らした19年を貫いている気持ちが現れていると思う。
拙い表現で、はずかしいような文章だけど、
だから、いっそうその頃の自分の一生懸命さが伝わって来て、
思わず泣いてしまった。
何の飾りもない、ただ生きるのに精一杯って素晴らしいと思う。
あの頃のあんな一途な私は、今の私ではない。
天音と暮らしていた頃は、特別な何かがまわりを包み込んでいたんだと思う。
サブタイトル「ふしぎなことですが命とは共に生きる者をどんどん魅了するもののようです」のように、まさに命のそばで、私は私を越えていたのかもしれない。
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by amanedo_g | 2012-09-27 17:08 | diary ヒロミ日記

シンガポール余録1 9月26日

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【インドの寺院】
シンガポールで滞在したホテルは、リトル・インディア地区にあったが、
そのホテルのすぐ近くに小さな寺院があった。
屋根の変わった飾り物に引かれて、朝の散歩にちょっと立ち寄ってみた。
入り口で靴を脱いで中に入ってみると、美しい民族衣装で盛装した、
インドの女性たちをたくさん見ることができた。
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【お坊さんも盛装】
お坊さんの風采がすごく時代めいて、とても興味深かった。
映像などで私が目にしたのは、ガンジーの、質素な白い布を身にまとった、
髪もないような姿だったから。
あっちこっちで、信者らしき人が熱心に話を聞いてもらたり、
祈りをささげている様子に、無作法に写真をとるのが憚られた。
祭壇の裏に回ったら、食事をふるまっている人たちがいて、
三々五々に床に座って、手で食事をしている人も見られた。
しかし、どうしてインドの神様はこうも恐ろしい姿なんだろう。
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【女性の神様】
何か悪いことをした人の内蔵を食っている神様かしら、
あまりにリアルすぎて、子どもたちはきっと恐ろしいと思うだろう。
これを見て、悪いことをしたらこうなると教えるのかなあ。
さぞかしたくさんの内蔵を食って、神様もうんざりされていることだろう。
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by amanedo_g | 2012-09-26 20:26 | diary ヒロミ日記

2つの展覧会 9月25日

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【mocchi mocchi 展】
秋は展覧会のシーズン、いろんな展覧会の案内をいただく。
mocchi mocchi展は8月の末にこのブログで紹介済み。
今日が最終だったので、急いで見に行った。
梅田、伊勢丹デパート三階、女性ものの服に囲まれて、画廊がある。
mocchi mocchiは望月佐知子、純子姉妹が共同でつくるシルクスクリーン。
猫好きにはたまらないだろうという、鮮やかな色の猫作品が目を引いた。
シルクスクリーンには、前から興味があったが、一層やってみたくなった。
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【日仏交流版画展】
10月2日から始まるこの展覧会は、今年の6月にフランスで行われた、
アトリエ凹凸の神野立生さん主催、日仏交流版画展の報告展覧会。
とても、これが銅版画とは思えないような、大変興味深い作品から、
カラフルな作品や、モノクロの深い色合いが美しいものまで、
いろいろな銅版画が楽しめる。
もちろん私の作品も1点あるので、どうぞ見に行ってください。
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by amanedo_g | 2012-09-25 18:36 | diary ヒロミ日記

天音堂 9月 24日

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【空っぽの天音堂】
急に涼しくなり、夏が終わったみたいでちょっと寂しいと、
寒さが嫌いな友人たちが言っている。
私は、冬が大好きなので、やれやれ、やっといい季節がと、嬉しいけれど。
さて、そろそろ季節もよくなったので、
天音堂をどうするか本気で考えねばならない。
まず、手始めに不動産屋に最近のマンション売買状況(ちょっと大げさ)を、
教えてもらおうと連絡をとった。

いずれにしても、賃貸にして誰かに借りてもらうか、
それとも手放すか決めねばならない。
私たちは、天音が亡くなった後、
メモリアルルームとしてこの部屋を手に入れた時ほどもう元気がない。
どうするかを決めるのさえ、なんだか面倒。
画廊をやりたい人がいれば、すぐにでも、そのまま使えるのになあ。
ものがなくなって、すっきりとした天音堂に座っていると、
なんて居心地のいい部屋だろうと思う。
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by amanedo_g | 2012-09-24 15:31 | diary ヒロミ日記

Sogan&Art galleryから 9月23日

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【Postcard】
シンガポールのSogan&Art gallery から、メールがきた。
11月に開かれる予定のAffordable Artfair(購入しやすい芸術祭?)に向けて、
私の絵をポストカードに作ったので、気に入ってくれるかしらという内容。
仕事の早さにびっくりした。
シンガポールの彼女のギャラリーで、私が持参していた絵の中から、
15点の絵を彼女が選んで、清子さんがその絵の写真を撮っている間に、
ササッと手書きの作品リストを作って、手渡された時もその早さに驚いたけれど。
きっと、ヴェラさんは仕事のできる人なんだろう。
私は、送る約束のリストもまだ出来ていない。

これまで、日本で展覧会のたびにDMを作って来たけれど、
今回のは、絵の使い方が面白いなあと思う。
これをどのように使用するのだろうか。
表面、裏面にいっぱい情報が書き込まれているので、
日本のように、切手を貼って送ることはできないだろう。
展示会場に置くのかな、それとも他の作家のポストカードと一緒に郵送かしら。
外国で展覧会を開くと、いろいろ違ったやり方があって興味深い。
やっぱり、ちょっと無理をしても、そのArtfairに行ってみたい。
さて、それはゆっくり考えるとして、急いでリストを作って送ろう。
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by amanedo_g | 2012-09-23 20:59 | diary ヒロミ日記

Poskad展報告9 9月22日

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【アンティーク店】
飛行機に乗るまでにまだ時間があったので、
チャイナタウンのアンティークの店を覗きに行った。
ここは、清子さんの行きつけの店。
足の踏み場がないほど古い品物があふれていて、
時間を掛けてゆっくり見れば、きっと掘り出し物が見つかるだろう。
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【ワヤンの人形】
昨夜、今日でシンガポールの夜も最後ですねと、栄太郎さんが、
マリーナ・エリアのレストランへ招待してくれた。
マリーナ・ベイ・サンズのあたりを歩いていると、
そこで、インドネシアのワヤン(影絵芝居)が上映されていて、
スクリーンに写った黒い影絵の美しいこと。
影絵の人形はありませんか、とアンティーク店のおじさんに訊ねた。
埃まみれで、色もはげている、でも、面白い表情に奇妙な肢体。
すっかり魅了されて、購入してしまった。
スーツケースに入らない大きさなので、胸に抱えて帰国。
本当に楽しくて、実りの多い旅だった。
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by amanedo_g | 2012-09-22 19:22 | diary ヒロミ日記

Poskad展報告8 9月21日

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【STPI 】
今日の夜には、帰りの飛行機に乗るという日(9月10日)、
栄太郎さんが仕事をしている、Singapore Tyler Print Instituteにお邪魔した。
避暑地のホテルかと思うような建物。
ここは、2002年にシンガポール政府のサポートで設立された、
版画工房(簡単に言えば)で、世界の著名なアーティストが、
新しい作品を制作し、ここの画廊で販売している。
栄太郎さんやTamaeさんは、仲間の人たちとその手助けをして、
世界初という現代アートを生み出している。
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【STPIの作業場】
版画工房といっても、そこは工場のような広さで、
体育室のような作業場がいくつもあり、大きなプリンターが置いてあったり、
版画の紙作りができるプールがあって、ただただ驚いて見学した。
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【束芋の作品】
事務所にあの著名な束芋の作品が飾ってあった。
作品の繊細さだけではなく、薄いガンピ紙に刷った作品を、
糸のような細いひもで、四方八方から引っ張って額枠に取り付ける繊細な方法。
こんな難しい作業を要求するなんて、と驚いていると、
確かにこれはこれまでで、一番大変な作業といえますが、
でも、アーティストは我がままを言っていいんですよ、と栄太郎さん。
アーティストは頭の中で、こんなものを創りたいと思ったら、
それを、ここのメンバーが手助けをして制作するのだという。
ひとりコツコツと作品を作っている私には、
憧れるというより、恐ろしいような現場だった。
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by amanedo_g | 2012-09-21 17:57 | diary ヒロミ日記