【眠れぬ夜(仮題)】
銅板の形の面白さから、何を描こうかと凄く時間がかかった。
ちょっと考え過ぎたかもしれない。
やっとプレスが済んだけれど、刷り上がった作品を、
いまでは新鮮な目で見ることが出来なくて、困ったものだ。
この作品を忘れた頃にもう一度ながめるために、
しばらく、見えない所においておこう。
ときどき、制作途中で作品が大嫌いになって、
捨ててしまいたくなるが、そんな時はその作品を隠すことにしている。
描いている手に、気持ちがついて行かないのだ。
勝手に手が動くなんていう、そんなかっこ良いことではないけれど。
気持ちと、その発露になる手が寄り添わない時があるということか。
もう、次へ進もう。