【真由美さんmiss Mayumi】
真由美さんが展覧会に来てくれた。
彼女は、去年、私がパリで展覧会をするときに、
絵のタイトルをフランス語に翻訳してくれて、私はとても助かった。
その頃は、まだほとんど親しい交際をしていたわけではないけれど、
フランスに留学して、絵に関わる仕事がしたいと思っていた彼女は、私の頼みを快く引き受けてくれたのだった。
たとえば、「フレンド」という日本語のタイトルを翻訳するとき、
フレンドは一人なの,女の子,それとも男の子と聞いてきた。
フランス語では、それぞれに言葉が違うらしい。
それに、実際の「フレンド」は、少女と骸骨の絵。
他の絵も、タイトルだけでは翻訳は難しい、というわけで、
すべての絵をPCで送ったりした。
思えば,それはあたりまえのことで、私の常識のなさに自分でも驚く。
何回もやり取りをして作ったフランス語のタイトルなのに、
その絵がパリに届かないという不運に見舞われてしまった。
あのタイトルをパリの画廊で必ずお目見えさせたいと、私は思っている。
真由美さんは、また何かお手伝いさせてくださいとやさしいことを言ってくれた。