フランスの木版画家ミッシェル・ラッセルのこと

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【ミッシェル・ラッセル木版画展】9/4月~9/12火 ※9/7木お休み 2-7pm[最終日-5pm]




【寡黙な黒、雄弁な白ーミッシェル・ラッセル木版画展によせてー】

わたしが初めてラッセル氏の作品とであったのは、
2004年吹田で行われた日仏の作家による
版画とポピュラーアートの展覧会でのことでした。

フランスの作家たちは社会風刺がするどく、
貧困、テロ、マスメディア、エイズ、さまざまな社会問題を取り上げる中で、
彼の作品は静かな、ごくありふれた日常がたんたんと描かれたものでした。
それはとても共感するなにかを感じました。

彼は物静かな、思慮深い紳士かもしれない、という印象をもちました。

1年後にわたしは彼と、パリの版画工房の中庭で会いました。
快活な動作、よくしゃべり、よく食べる人なので、少し意外な気がしました。
彼は映画、演劇が好きで、自ら劇の中で詩の朗読をしたり、
また彼の木版画作品をもとに、
アニメーション作品が作られたこともあります。

黒沢や溝口、宮崎、中でも好きなのは小津安次郎監督だという彼に納得しました。
ラッセル氏の作品は、たんたんと穏やかな表現、
ときとしてユーモラスな空気さえあります。

その奥にある情熱や信念、不安や悲しみ。
内面をどう表すか、ということに、彼の表現は集約されていました。
彼は文楽の語りや無声映画の弁士にも興味があるといいます。

版画の人物、動物たちを見ていると、
白と黒の世界の中で、実にいろいろなことを語りかけてきます。

昨年彼は、犬を抱き上げ椅子にゆったりと座るマダムと、
犬をまたいで立ち、まっすぐにこちらを見つめる少女の、
興味深い2作品を送ってきました。
2作品を見比べているうちに、彼を日本に呼びたい、と思いました。

ミッシェル・ラッシェル、彼はもしかすると限りなく日本的な版画家
なのかもしれない、という思いにとりつかれています。

……………<ギャラリーびー玉 上山榮子>

 
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by amanedo_g | 2006-08-21 21:36 | archive 画廊風景
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